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『資源クライシス だれがその持続可能性を維持するのか?』の写真

最近の資源をめぐる諸問題を考えるのに最適な本である
★★★★★
2008-08-23
 7月に開催された洞爺湖サミットでは何も決まらなかったといっていい。
 あえて評価するとすれば、わが国における環境意識が、かつてないほどに高まったことであろうか。

 本書は、その表題のとおり、石油・金属・食料などの地球資源を巡る諸問題と解決策についての著者の考察である。

 「資源は枯渇する」という前提に立って考えれば、このままでは近い将来人間文化(文明といってもいいかもしれない)は崩壊する。そのために必要な「持続可能な」資源管理とはどういうことなのか深く考えさせてくれる本である。

 本書はただの資源問題を述べているのではない。
資源をめぐる人間の根源〜「なぜ資源国は、貧困から抜け出せないのか。
また、現代文明は、不必要な消費をあおることによって、繁栄が謳歌される仕組みになっているのではないのか。」という疑問を投げかけ、今の経済システムそのものを見直す機会と提言してくれる。

 この中で触れられている、厳格に森林管理をしてきた徳川幕府と厳しい森林管理(資源管理といってもいい)から逃れることが近代化として捉えていた島崎藤村の「夜明け前」の話はまさに今に通じる話である。
これからの世界は、あの見事な森を守った江戸時代に見習う必要があるのではないか。

 著者は言う、「2005年の人類の石油消費量を全部穀物でまかなおうとすれば、今の47倍の地球が必要だ。人類が生き延びようとするためには少なくとも現在のエネルギー消費量の60%まで落とさなければならない。」

 われわれが将来の子供たちのために、100年、200年先を見据えて考えた場合、本書のような考察が非常に重要なものになる。